暖かい日差しはすでに高く昇り、空気の中にはかすかに冷たさが漂っていた。
橋本楓は頭がぼんやりとして、体が少し冷えているように感じた。懸命に目を開けると、目に映ったのは柔らかな光だった——
バルコニーのドアが開いており、冷たい風が吹き込み、カーテンもその風に揺れ舞っていた。
この場所は……
以前の彼の別荘ではないか?
なぜ彼はここにいるのだろう?
そう考えると、頭にまた痛みが走り、急いで起き上がり、無意識に部屋の中を見回した。すぐに向かいのソファに座っている星野心を見つけた!
星野心は今や大きなお腹を抱えていた。出産予定日が近いため、この期間ずっと家で休んでいた。黄前瑤子は多くの人を手配して彼女の世話をさせ、自身もしばしば訪れていたが、彼、橋本楓はめったにここに戻ることはなかった。
一つには彼女と口論したくなかったからであり、もう一つには、彼女に会いたくなかったからだ。そうすれば、やっと傷が癒えかけた傷口をまた血まみれにして、痛みで血を流すことはないだろう。
しかし星野心は今、真っ赤な目で彼を見つめていた。全体的に憂鬱で疲れた様子で、その目を見れば分かるように、おそらく一晩中苦しんでいたのだろう。目の下は乾いていて光がなかった。
橋本楓は体を起こし、黒い瞳から霞みが消え、いつものように冷たさを取り戻した。星野心に冷ややかな視線を向けたが、一言も発せず、立ち上がってバスルームへと向かった。
彼はなぜ自分がここにいるのか尋ねたくもなかったし、何か起きたのかを聞きたくもなかった。彼女に対して、もう何も言うことがないことに気づいていたからだ。
「あなたは酔っていたわ。私と大野秘書があなたを連れて帰ったの。夜に高熱を出して、一晩中彼女の名前を呼んでいたわ……」
星野心の乾いた苦い声が突然後ろから聞こえてきた。
橋本楓はそれを聞いて、確かに足を止めたが、結局立ち止まることなく、バスルームへと歩き続けた。
重いドアの閉まる音が聞こえ、続いて「シャーッ」という水の音が響いた。
まるで一世紀が過ぎたかのように長い時間が経ち、橋本楓はようやくバスローブを着て出てきた。リビングを通り過ぎる時、星野心を見なかったかのように、そのまま寝室に入り、清潔な服に着替えた。