第23章 興味ありません！

言い終わると、彼の視線は思わず安藤若菜に向けられ、予想通り彼女の唇の端に浮かぶ嘲笑を見た。

彼女がどう反論するか、見てみたいものだ。

安藤若菜は反論しなかった。彼女はリサに淡々と微笑みかけた。「リサさん、あなたには私と彼の問題に口を出す資格があるのですか？」

リサは胸を張り、得意げに言った。「私が辰也の女だからよ！」

安藤若菜はもうこの女に何も言いたくなかった。彼女の横を通り過ぎながら、軽蔑した口調で一言残した。「リサさん、自分の立場を忘れないでください。」

リサは一瞬呆然とし、やっと彼女の言葉の意味を理解した。

ふん、何が偉いというの！

いずれ藤堂家の奥様の座は、彼女のものになる！

安藤若菜は寝室に戻ると、すぐにネットで自分の銀行預金を確認した。

合計で3万元ほどあった。

このお金があれば、半年以上は暮らせる。

彼女は藤堂辰也から離れ、仕事を見つけて、もう少しお金を貯めれば、吉を引き取って一緒に暮らせるだろう。

安藤若菜は明るい明日を思い描き、自由で幸せな未来の生活を想像しながら、思わず口元に笑みがこぼれた。

藤堂辰也がドアを開けて入ってきたとき、彼女が笑っているのを見た。

彼の視線はウェブページに落ち、彼女が何を見ていたのかすぐにわかった。

この女、たった3万元で、あんなにバカみたいに笑って、少し満足しすぎじゃないのか。

「たったこれだけの金額？お金を稼ぐチャンスをあげよう。一晩で10万、どうだ？」男の声が耳元で静かに響いた。

安藤若菜はびっくりして、横を向くと藤堂辰也の端正な顔と目が合った。いつの間にか彼は彼女の背後に来ており、片手を彼女の後ろの椅子の背もたれに置き、頭を下げて、彼女にとても近い距離にいた。

安藤若菜は急いでページを閉じ、立ち上がって彼から離れた。

「ドアに鍵をかけたはずだけど、どうやって入ってきたの？」彼女は眉をひそめて尋ねた。

藤堂辰也は体を起こし、腕を組んで、彼女をじっと見つめながら淡々と笑った。「安藤若菜、そんなに俺を怖がっているのか？」

彼女は彼を怖がっているわけではない、ただ彼が無茶をするのが怖いだけだ。

「さっきの提案、考えてみてもいいぞ」男は自信たっぷりに言った。

彼から見れば、お金を愛さない女はいない。安藤若菜が彼を拒絶していても、お金のためなら妥協するかもしれない。