安藤若菜は体を起こし、ベッドサイドテーブルの上にジュエリーボックスが置かれているのを見た。
彼女は不思議に思いながらそれを手に取って開けると、中にはブルーダイヤモンドがちりばめられたブレスレットが入っていた。ブレスレットはとても美しく、一目見ただけで高価なものだとわかった。
きっと藤堂辰也がここに置いたのだろう、彼女へのプレゼントなのだろうか?
安藤若菜はさらりとジュエリーボックスを元の場所に戻し、二度と見ようともしなかった。こういったものは、彼女の心を全く引きつけなかった。
階下のリビングに降りると、陶山おじさんが笑顔で彼女に言った。「奥様、朝食の準備ができております。どうぞお召し上がりください」
安藤若菜は少し驚き、陶山おじさんの笑顔があまりにも誠実だったので、藤堂辰也がきっと彼女に食事を許可したのだと理解した。