第188章 毎日一緒にいられたらいいのに

安藤吉は首を傾げて彼女を見つめ、突然無邪気な笑顔を見せて言った。「姉さん、僕は学校ですごく楽しく過ごしてるよ。外国語も習得したし、今は会話もかなり上手くなったんだ。A国の言語をマスターしたら、他の国の言語も友達から学ぶつもりなんだ。学校では成績も前よりずっと良くなったし、J市では学べなかったことをたくさん学んでいるよ。姉さん、僕はこの学校が大好きだから、離れたくないんだ」

「でも……」

「姉さん、僕のことを心配しないで。もうすぐ13歳になるんだから、自立する時期だよ。僕は立派な男になりたいんだ。姉さんはそんな僕を見たくないの?」

彼の軽快で笑みを含んだ言葉を聞きながら、安藤若菜は疑わしげに彼を見つめ、彼の言葉を信じるべきかどうか確信が持てなかった。

藤堂辰也はかつて、彼が通っている学校は他の学校とは違うと言っていた。まるで厳しい訓練基地のようだと。

もしかして、彼の言葉の意味を誤解していたのだろうか?

安藤吉は突然彼女の手を引っ張り、甘えるように言った。「姉さん、お腹すごく空いたよ。まだ何も食べてないんだ。ご飯作ってくれない?姉さんの作る料理が恋しかったんだ」

安藤若菜は思考から戻り、急いで頷いた。「待っててね、すぐに作るから」

「手伝うよ」安藤吉は袖をまくり上げ、興奮気味に言った。

「いいわね、一緒に作りましょう」安藤若菜は嬉しそうに彼の手を引いてキッチンへ向かった。姉弟は息ぴったりに協力し、たくさんの料理を作った。

実際はそれほど食べられなかったが、二人で料理を作る過程を楽しんでいた。

食事の後、安藤若菜は安藤吉を2階に連れて行き、彼のために持ってきた服を全部取り出して、一つ一つ箱に詰めていった。

そして彼と多くの話題について話し合った。すべて彼の学校での出来事についてだった。

安藤吉は質問に必ず答え、この期間の成長を経て、彼の話し方はずっと成熟していた。安藤若菜は彼の答えに留保があることを知っていたが、彼が特に辛い思いをしている様子がないのを見て、彼女の心も少し安心した。

一日の時間はいつも早く過ぎ去り、午後5時になると、安藤吉は食事を済ませ、出発する時間となった。

学校の規則では、6時半までに戻らなければならず、それを過ぎると校門が閉まり、入ることができなくなるという。