第330章 あなたを藤堂辰也に嫁がせるべきではなかった2

自分の態度が過激だったことに気づいた彼女は、にこにこ笑いながら言った。「罰として、あなたの足が良くなったら、彼を紹介してあげるわ。」

安藤若菜が彼女を見ると、夏目望は彼女を睨みつけ、わざと言った。「何見てるの?他人の夫を覗き見るのは禁止よ!」

安藤若菜は苦笑いして、「彼はもしかして私たちのクラスの元同級生?」と尋ねた。

そうでなければ、なぜ彼女に知られるのを恐れるのだろう?

夏目望はふんふん言いながら、「私たちのクラスにイケメンなんていた?お姉さんの目を甘く見ないでよ。」

確かに、昔は彼女を追いかける人がたくさんいたのに、彼女は誰一人として気に入らなかった。

「わかったわ、じゃあ私の足が良くなってから話しましょう。」安藤若菜は無理強いせず、夏目望は得意げな笑みを浮かべた。

夕食を一緒に食べた後、夏目望は帰っていった。そして来週、彼女を連れて買い物に行く約束をした。家にずっといるのは回復に良くないと言った。

夏目望は本当に大胆だ。彼女は障害者なのに、外出させようとするなんて。

しかし安藤若菜は彼女の誘いを受け入れた。

藤堂辰也が帰宅したとき、彼女はこのことを彼に話したが、彼は彼女の外出に反対しなかった。

「外に出かけるのはいいことだ。その時は島村おばさんに付き添ってもらおう。」

安藤若菜は彼を見て、軽く返事をした。

彼が許可しないと思っていたので、長期間の交渉の心の準備をしていたのに、彼はあっさり同意した。

実は彼という人は、そんなに横暴で専制的ではないのだ。

あっという間に、また週末がやってきた。

夏目望は朝早くから安藤若菜を迎えに来た。彼女は車で来て、安藤若菜と島村おばさんが彼女の車に乗り込み、多くの予備品も持っていった。

ショッピングモールの外に着くと、島村おばさんはまず車椅子を出し、次に安藤若菜を抱えて外に出た。

彼女は力が強く、安藤若菜を抱えるのも簡単だった。

商業センターは人で賑わっており、安藤若菜の姿は何人かの注目を集めた。

彼女は人々の視線に慣れていなかったが、表情は自然で、何も表さなかった。

どうせ長い間、あるいは一生車椅子で移動することになるのだから、慣れるしかない。