第366章 彼女の結婚が危機に3

彼は藍田佳人のために、彼女と離婚し、彼女と別れるだろうか?

安藤若菜は考えれば考えるほど心が痛み、もう息ができないほどだった。

しかし彼女は簡単に諦める女性ではなかった。おそらく、藤堂辰也はもう藍田佳人を愛していないのかもしれない。おそらく彼が今好きな人は彼女なのかもしれない。

どうあれ、彼女こそが藤堂辰也の妻なのだから、堂々としているべきで、決して自分から混乱してはいけない。

とにかく彼が離婚を切り出さない限り、彼女は離婚しない。藤堂辰也自身に選択をさせるつもりだった。

もし、彼が選んだ人が藍田佳人なら、彼女は完全に心を閉ざすことを選ぶだろう……

一晩中、安藤若菜は考え事でいっぱいだった。そして藤堂辰也も帰ってこなかった。

もう長い間、最近の半年くらい、彼は毎晩帰ってきていて、一度も夜を明かすことはなかった。