第374章 私たちはやはり離婚しましょう7

世の中のことは、こんなにも滑稽で、ドラマチックなものだ。

藤堂辰也は体を起こし、黒い瞳で彼女を見つめ、彼女の表情から何かを読み取ろうとした。

しかし彼女は上手く装っていて、彼は彼女の悲しみや辛さを全く見ることができなかった。

男は笑いたい衝動に駆られた。彼は彼女が自分に恋をしたと思っていたが、まさか彼女がまだ離婚を望んでいるとは。そうだ、離婚は常に彼女が望んでいたことで、今チャンスを掴んだ彼女は当然急いでいるのだろう。

心の中で少し不快感と苛立ちを覚えた。

藤堂辰也は冷たく言った。「俺と離婚しても、お前は何も得られない」

彼女はまだ彼のお金を気にするだろうか?

「何もいらないわ」

お金で彼女を脅そうとしても、全く効果がない。彼から逃れられるなら、彼女は自分からお金を払ってでも離婚するだろう。