第412章 いわゆる弁解の余地なし

「なんだ、男の子だったのね。ずっと女の子だと思ってたわ...」

「ベイビー、そのジョークは全然面白くないよ」男は彼女に近づき、彼女の手をしっかりと握り、罰として強く握りしめた。

安藤若菜は手を引き抜き、冷たく鼻を鳴らし、挑発的に彼を睨みつけた。

彼女はわざと彼を騙したのだ、彼に何ができるというの？！

彼は確かに彼女に何もできなかったが、ただ彼女の幼稚な行動が面白いと思っていた。女の子だと嘘をついても、何の意味があるのだろう。

彼はまた、なぜ彼女があのピンク色のプリンセスルームに満足していなかったのかも理解した。

男の子にプリンセスルームを用意するなんて、確かに変だ。彼は帰ったら部屋を作り直し、男の子向けのスタイルに変えなければならない。

しかし、期待していた女の子が突然男の子になったことに、彼はまだ少し受け入れられなかった。でも彼はやはり嬉しかった。男の子でも良い、どちらにせよ彼の子供なのだから。

エコー検査が終わった後、藤堂辰也はすぐに立ち去らず、真剣な表情で医者に率直に尋ねた。「お聞きしたいのですが、妊婦が無意識におねしょをするというのは、深刻な病気なのでしょうか？」

安藤若菜は見事に顔を赤らめた。この人、黙っていられないの？！

彼女はおねしょなんてしていない、ただ誤って水をこぼしただけなのに！

医者も真剣な表情になった。「そのような状況は何回ほど発生していますか？」

藤堂辰也は安藤若菜を見て、彼女に尋ねた。「これは何回目？」

「私...私はおねしょなんてしていません！言ったでしょ、あれは誤ってこぼした水で、そういうことじゃないの」安藤若菜は赤面しながら説明したが、男は彼女の言葉を全く信じていなかった。

こぼした水が、偶然にも彼女のお尻まで濡らすだろうか？

彼は冷たい表情で、彼女に厳しく言った。「安藤若菜、これはあなたと赤ちゃんの健康に関わることだ。正直に言わなければならない、恥ずかしがることはない」

医者も恥ずかしがることはないと言い、正直に話すよう促した。

「本当にそんなことないんです...」これがいわゆる百口弁じがたしというやつだ。

彼女が死んでも認めないので、医者は仕方なく彼女を検査し、事実を語らせることにした。

検査結果が出て、彼女の体に問題がないことが証明された。