第417章 無頓着だから、恐れ知らず

知り合って間もなく、二人はとても相性が良いと感じて、結婚しました。

結婚してからは、生活のために忙しく過ごしてきました。これまでの長い年月、私たちはお互いに支え合ってきましたが、愛しているかどうかを口にしたことは一度もありません。

若い人たちの恋愛なんて私にはよくわかりませんが、私から見れば、一生を共に過ごせるならそれで十分です。」

安藤若菜は理解した。

島村おばさんと彼女の夫には、激しい恋愛はなかった。彼らの生活は平凡でシンプルだが、彼らの目には、それが愛なのかもしれない。

人それぞれ、愛の定義は違う。

島村おばさんの言うとおり、二人が一生を共に過ごせるならそれで十分。純粋な恋愛を追い求める必要などないのだ。恋愛がなくても、結婚はできるし、一生を共に過ごすこともできる。

これらのことを理解して、安藤若菜の心境はかなり広がった。

彼女は過去を手放し、恋愛というありふれたことに拘るべきではない。

愛がなくなったからといって、人は死なない。生活をどう過ごすかは、自分の心の持ち方次第だ。

それに、彼女は強くてシンプルで、いつも前を向いている安藤若菜なのだから。

だから、頑張ろう。他のことは気にせず、ただ毎日を大切に過ごせばいい。

心を広く持つようになり、安藤若菜は藤堂辰也の裏切りにもそれほど気にしなくなった。

実際、気にすることなんて何もない。彼が彼女を愛していないなら、離婚するのも時間の問題だ。もしずっとこのことで悲しみ続けるなら、彼女の貴重な青春を無駄にしてしまうだけだ。

こういうことを理解したからこそ、河村遠から電話で誘われたとき、彼女は断らなかった。

恋人にはなれなくても、友達にはなれるじゃないか。

レストランに座り、河村遠の話を聞きながら、安藤若菜は楽しそうに笑った。

河村遠はわざと憂鬱そうに言った。「あの時、僕はとても悲惨だったのに、同情してくれないどころか、そんなに楽しそうに笑うなんて。」

彼が安藤若菜に話したのは、前の恋人のために家族と戦った話だった。

安藤若菜は涙が出るほど笑いながら言った。「ごめんなさい、笑いたくないんだけど、本当に面白くて。あなたの勇気に感服するわ。それに、どうしてそんなに堂々としていられるの?」

彼女の笑顔を見て、河村遠も思わず微笑んだ。