この宅配便はとても奇妙で、彼女は中に爆弾が入っているのではないかと心配していた。
「島村おばさん、これは誰から送られてきたの?」彼女はキッチンに向かって尋ねた。
「わからないわ、あなた宛てだったから、私が受け取ったのよ」
安藤若菜は箱を軽く振ってみた。中から音がした。その音から判断すると、中にはもう一つ箱が入っているようだった。彼女はますます落ち着かなくなった。もしかしたら本当に爆弾かもしれない。
果物ナイフを持ってきて、彼女は慎重に封を切り、箱を開けると、中には白い花柄の美しい箱が入っていた。
このような箱には、通常、電子製品が入っている。
小さな箱を取り出して開けると、中には確かに電子製品が入っていた。それは携帯電話だった。
白い折りたたみ式の美しい携帯電話で、蓋には輝くラインストーンが埋め込まれていた。
箱の中にはカードが一枚あり、彼女はそれを取り上げて開いた。そこにはこう書かれていた。
【この携帯電話には放射線防止機能があります。子供のことを考えて、これからはこれを使ってください】
藤堂辰也から送られてきたものだったのだ。
よく思いついたものだ、宅配便なんて方法で。
安藤若菜は携帯電話をしばらく弄んだ後、元の携帯電話からSIMカードを取り出して、新しい携帯に取り付けた。
この好意を断る必要はなかった。
携帯電話を変えてしばらくすると、藤堂辰也から電話がかかってきた。今度は彼女には電話に出ない理由がなかった。
安藤若菜は不機嫌そうに電話に出ると、男は微笑みながら尋ねた。「携帯電話の調子はどう?」
「ご好意に感謝します」
藤堂辰也の表情が少し曇った。彼は彼女のよそよそしさが好きではなかった。
「ベイビー、そんなに堅苦しくしないで。携帯を送ったのも、子供のことを考えてのことだよ」
「藤堂さん、私はあなたとは何の関係もありません。私を安藤さんと呼ぶか、直接名前で呼んでください」安藤若菜は冷たく言った。
男は少し黙った後、「用事があるから、切るよ」と言った。
電話を切ると、安藤若菜の気分はさらに悪くなった。
藤堂辰也、愛していないなら私を誘惑しないで!
翌日、彼はまた電話をかけてきて、子供と彼女に会いに来てもいいかと尋ねたが、彼女は再び断った。