第499章 結局誰が怖がっていたのか

「今回はあなたに薬を飲んでもらって申し訳ないが、次回は対策をしっかりとって、もう薬を飲ませることはないよ」

安藤若菜の視線が彼の手の中の薬の瓶に落ち、頭痛を感じた。

彼女が欲しかったのは生理痛の薬であって、避妊薬ではなかった!

藤堂辰也は彼女が黙っているのを見て、自ら薬を一錠取り出し、水の入ったコップを持って彼女に薬を差し出した。「君が私の子供を妊娠したくないのはわかっている。この件については今のところ強制しないよ」

安藤若菜は驚いて彼を見た。彼がこんなことを言うとは思わなかった。これは彼の性格とは思えなかった。

「薬を飲みなさい」と男性はまた言った。

「あなたは間違えています...」安藤若菜はいらだたしげに言った。「私が島村おばさんに買ってきてもらったのはこれじゃないんです...お腹が痛いんです。もういいです、やっぱり島村おばさんに買いに行ってもらいます」