第526章 問題があるのではないか

森田華の車に乗った後、安藤若菜は彼に事情を大まかに説明した。彼女は彼に小さな男の子の両親を見つけて、彼を返してほしいと思っていた。

また、警察が安藤心を見つけ、他の子供たちに危害を与えないようにしてほしいと願っていた。

「こんな小さなことなら、任せてくれ」森田華は豪快に言った。

彼は携帯を取り出して警察署に電話をかけ、もし子供の失踪届が出されたら連絡するように伝え、安藤若菜が提供した手がかりを基に安藤心を探すよう人を派遣した。

彼の助けを得て、安藤若菜はかなり安心した。

彼女は長谷川おばさんにも電話をかけ、状況を簡単に説明して心配しないように伝えた。

レストランに着くと、安藤若菜たちは個室を予約した。

始終、彼女は腕の中の子供を抱いていた。森田華は彼女を見て笑いながら言った。「君は子供が好きみたいだね」

安藤若菜はウェットティッシュで小さな子の顔と手を拭いていたが、それを聞いて顔を上げた。「子供はとても可愛いでしょう？そう思わない？」

「うん、彼らは確かに可愛い。でも最近は子供が好きな女性が少なくなってきている。結婚しても子供を欲しがらない人もいる。君がこういう泣くだけの小さな存在に興味がないかと思っていた」

安藤若菜は腕の中の小さな子を見下ろし、口元に微笑みを浮かべた。「そんなことないわ、彼はとても可愛いと思う」

もし彼女の子供が死んでいなかったら、今頃はこのくらいの大きさだったかもしれない。

「赤ちゃん、お腹すいた？ご飯食べようね？」安藤若菜は茶碗にご飯を盛り、さらに数さじの茶碗蒸しを混ぜて彼に食べさせた。

小さな子は本当にお腹が空いていたようで、スプーンが口元に近づくと口を開けて食べた。

彼の小さな頬っぺたがパンパンに膨らみ、これ以上なく可愛らしかった。

安藤若菜は見れば見るほど彼が好きになり、彼が自分の息子であればいいのにと思わずにはいられなかった。

「赤ちゃん、あなたの名前は何？おばさんに教えてくれる？」

「……」

「何が食べたい？これ食べる？とても美味しいよ」

「……」

安藤若菜が何を聞いても、彼は答えず、彼女をまともに見ることもなかった。彼女が何を食べさせても、彼はただそれを食べるだけだった。

安藤若菜は挫折感を覚えた。「赤ちゃん、おばさんに少しも反応してくれないの？」

「……」