「ふざけるな、どんなに稼いでも、友情を無視していいわけじゃないだろ……このクソ野郎、私はお前がウィルスというクソ野郎と兄弟だということを忘れていた。ウィルスのような卑劣な奴が童ちゃんをこっそり連れ去るなんて、お前も大差ないんだな……」
冷泉辰彦のハンサムな顔に、すぐに三本の黒線が浮かんだ。今の雅璃は、四年前の雅璃と変わらず、相変わらず気性が激しかった。
「雅璃、童ちゃんはどうしたんだ?」藤原則安は童ちゃんのことを聞いて近づいてきた。彼はもう冷泉辰彦を気にせず、雅璃の体を掴んで自分の方に向かせた。「童ちゃんはあの男に連れ去られたのか?」
「うん」雅璃は小さな口を尖らせ、則安の胸に顔を埋めて、ボロボロと泣き始めた。「あの野郎は私を騙した、騙したのよ。彼が私を探したのは子供を奪うためだったの。今、童ちゃんがどこにいるのか分からない。たぶんアメリカに連れて行かれたわ……うっ、あいつは最低よ……警察に通報するわ……」