第81章 この世に私を支配できる男は1人だけ

実際、マハと巻き毛くんだと分かった瞬間、私の緊張していた糸は切れてしまった。

ほとんど疑いもなく、彼らの仕業だと分かった。

この二人は、以前は田中遠三についてまわり、何でもやっていた。

特に叔父の貸付金の回収を手伝うとき、彼らは多くの悪事を働いた。

だから、私たちが会社を設立した後、田中遠三がそういった渦に巻き込まれないように、彼らとの付き合いをやめると約束させたのだ。

彼も私に約束した。

実際、この10年の結婚生活の中で、確かに田中遠三が彼らと付き合っているところは見ていなかった。

思いもよらなかったが、毎年の祝日には彼らが田中遠三を訪ねてきていたのだ。

これは田中遠三がずっと私を騙していたということだ。

怒りが心の底から湧き上がり、今すぐ電話で田中遠三を罵りたかった。