「何を言ったの?」
私は自分の耳を疑い、もう一度尋ねた。
葉山夢愛はため息をつき、頷いた。
「そうよ、全部私のせい。もし私が田中兄さんに頼んで、私のいとこを家政婦として紹介していなかったら、事態はここまで発展しなかったわ。」
「あなたが竹田佳子を紹介したの?」
「そうよ!私のいとこは実はとても良い人なの。そうでなければ、田中兄さんに紹介したりしなかったわ!」
葉山夢愛は事の顛末を説明した。
これで、私の葉山夢愛への好感度はゼロになった。
田中遠三、あなたって本当にすごいわね!
4年前に浮気したのはまだしも、愛人の親戚を私のそばに送り込むなんて。
私を信用していないの?
それとも、ずっと私を陥れる機会を窺っていたの?
しかし、私が反応する間もなく、伊藤諾は怒り心頭で部屋から飛び出してきた。