第55章 彼のやり方は少し極端だ

真夜中に、男女二人きりでいるなんて、特に伊藤諾がバスタオル一枚だけ身に纏っているなんて、二人の関係は確かに疑わしく見えた。

一瞬、私は葉山夢愛に私と伊藤諾の関係をどう説明すればいいのか分からなかった。

彼女に、私と伊藤諾が共謀して田中遠三を暗殺しようとしていると言うべきだろうか?

もちろんそんなことはできない。

言葉に詰まっていると、伊藤諾が口を開いた。彼は前に出て私の肩を抱き、葉山夢愛に向かって言った。

「彼女は私の彼女だ!何か問題でも?」

「あら!」

葉山夢愛はそれほど驚いた様子ではなかった。

結局、彼女はただの純粋な愛人だ。

田中遠三は彼女をビジネスに関わらせないようにしていたし、当然、臻一株式会社と天藤会社の血みどろの争いについても知らせていなかった。

そもそも会社間の競争というのは、非常に秘密めいたことだ。