巻き毛くんは緊張して私のスマホを見つめていた。
「仲間か?」
私はすぐに電話を切った。
「そう、私の仲間が向かいの駐車場にいるわ。安心して、あなたが過激なことをしなければ、彼はこっちに来ないから」
私はやはり女性なので、自分のために逃げ道を残しておかなければならない。巻き毛くんが悪い考えを持って私に手を出すのを防ぐためだ。
巻き毛くんは私の言葉を聞いた後、また窓のところに走り、カーテンを手で開けて外を覗いた。
彼は駐車場にいる沢田書人を見たようで、またソファに戻ってきた。
巻き毛くんは再び私に注意した。
「スマホを切れ!録音されたくない」
「わかった、電源を切るわ!」
巻き毛くんは私が想像していたよりもずっと警戒心が強いようだ。
彼は私がスマホの電源を切るのを自分の目で確認した。
「あなたがやったんじゃないなら、なぜそんなに警戒するの?」
「あんたは俺たちの社長がどれだけ恐ろしいか知らないんだ!彼に知られたら、俺たちは殺されるぞ」
「あなたたちの社長は田中遠三?」
私はかなり焦っていたので、直接聞いてしまった。
巻き毛くんはそれを聞いて、表情が警戒的になり、その場で尋ねた。
「なぜ田中遠三のことを知っているんだ?」
松岡小雲の顔は彼らにとって見知らぬ顔だったので、彼の疑問は当然だった。
私は落ち着いて言った。
「それはあなたには関係ないわ。今は私があなたからお金で情報を買っているのよ!」
やはりお金の力は大きい。
巻き毛くんはソファに座り、両手で頭を抱え、すぐに本当のことを話し始めた。
「放火事件は、俺の友達がやったんだ!」
「マハ?」
私は直接尋ねた。
彼は否定せず、うなずいた。
「そうだ!もともと、俺と彼は親友で、彼のことを売り渡すべきじゃなかった。でも今は事が露見して、国内にも長居できない」
ここまで聞いて、私の呼吸は少し荒くなった。こんなに長く追求してきて、ようやく答えが見つかった。
「なぜ彼はそんなことをしたの?」
私は巻き毛くんの腕をつかんだ。
巻き毛くんは首を振った。
「わからない!俺とマハは親友で、以前は一緒に三橋で働いていた!でも退職後、俺は生活のために出前配達を始めた。忙しくて、彼とは時々酒を飲む程度だった……」
「じゃあ、なぜ彼が放火したと知っているの?」