第67章 バレてしまった

「外はこんなに雨が降っているのに、あなたはそんなに忙しいのに時間を作って来てくれたの!」

葉山夢愛は田中遠三が脱いだトレンチコートを受け取り、ハンガーにかけた。

その後、キッチンから熱い生姜湯を持ってきて、田中遠三に手渡した。

「田中社長、この生姜湯を飲んでください。黒砂糖を入れましたから、寒さを追い払って体を温め、風邪を引かないようにしてください。」

葉山夢愛がここで田中遠三と愛を示し合っているのを見て、私は気を利かせて自分の寝室に向かった。

携帯が震えた、温井雅子からのメッセージだった……

「昨夜、伊藤諾がドローンで撮ったの、見てみて!」

私はお茶を飲みながら、写真を一枚一枚受信した。

写真は彼らが山頂で撮ったもので、夜は光が弱く、鮮明ではなかった。

何枚か適当に見ていたが、後ろの方の写真はとても鮮明で、すべて私のもの、つまり昨夜のものだった。