第126章 絶対に甘やかさない

葉山夢愛のこの横柄で傲慢な態度は本当に腹が立つ。私は彼女を甘やかすつもりはない。すぐに冷笑いを浮かべて皮肉った。

「あなたは手足が不自由なの？」

「松岡小雲、あなたは田中遠三の従業員よ！あなたは私の命令に従うべきよ」

「ごめんなさい、私が気分が良くなければ、田中遠三でさえ私を使うことができないかもしれない。ましてやあなたなんて！自分の立場をよく理解しておいた方がいいわ。後悔しないように」

私はそう言い捨てて、振り返りドアを乱暴に閉めて出て行った。

まったく恩知らずな女だ。私に命令するなんて。

金の船ホテルを出た後。

私は帰り道を急いだ。

道中、直感が何か変だと告げていた。

私は後ろを振り返った。

そこで気づいた。伊藤諾の車が私の斜め後ろにあり、ゆっくりと私を追いかけていた。