私はかがみ込んで、葉山夢愛のスマホを拾い上げた。
そして、ロープを取り、葉山夢愛の両手を縛り、彼女を下の船底へと引きずり込んだ。
彼女の指紋でスマホのロックを解除した。
実は、私は元々葉山夢愛を誘拐するつもりはなかった。
彼女は私の計画には全く含まれていなかった。
しかし、彼女が自ら門前に現れたからには、戦略を変えるしかない。
ロック解除後。
私は葉山夢愛のスマホを調べ始めた。
驚いたことに、葉山夢愛は田中遠三とのメッセージのやり取りをたくさん保存していた。
一つ一つ見ていくと。
基本的にはすべて葉山夢愛が送ったもので、田中遠三からの返信はほとんどなかった。
大部分は葉山夢愛が田中遠三を誘い出そうとするもので、田中遠三の返事はほとんどが時間がない、というものだった…