「次に、今回のコンテストの優勝者を発表します……天藤会社の松岡小雲さんです。それでは、皆さん、盛大な拍手で松岡小雲さんをステージにお迎えください!」
巨大な電子スクリーンには、一連の美しいファッションデザインが展示されていた。それはまさに私の手によるデザイン作品だった。
会場中から拍手喝采が沸き起こった。
私は一瞬、幻聴かと思ったが、もう一度スクリーンを見て、確かに自分の作品であることを確認してから、ようやくステージに上がった。
葉山夢愛の前を通り過ぎる時、彼女は恨みと嫉妬に満ちた視線を私に向けてきた。
私は彼女をさらりと一瞥し、背筋を伸ばして自信に満ちた様子で表彰台へと向かった。
実は田中遠三と結婚する前、私は何度も賞を受賞していた。
しかし、これまでの受賞の中で、今回ほど意義深いものはなかった。