すぐに私はパーティー会場に到着しました。
規定によると、私たち受賞資格のあるデザイナーたちは、事前に入場するべきでした。
しかし私は少し緊張していたので、トイレに行ってウィッグを整え直しました。後で問題が起きないように。
結局、さっき田中遠三と揉み合った時に、ウィッグが一度床に落ちてしまったので、スタイルを整え直し、メイクも直す必要がありました。
ところが入口に着いたとき、なんという偶然か、また葉山夢愛に出くわしてしまいました。
その時、葉山夢愛は女性スタッフの手を引き、小声で要求していました。
「私たちは全部見ました。天藤会社のあのシリーズ作品はダメです。これは盗作で、規則違反の作品です。もしそれを一位に選んだら、笑い話になりますよ」
「葉山さん、これは審査員全体の決定です。私は責任者ですが、結果を変えることはできません」