私はミルクティーのカップを持ち、指でラベルをいじりながら、冷ややかに笑った。
「彼に伝えてください。今では彼の名前を聞くだけで生理的な嫌悪感を覚えます。会いたくないし、もう二度と会うこともないでしょう」
温井雅子が隣でテーブルを叩きながら言った。
「あの最低な男は、伊藤家と松岡家の人々を死に追いやったのよ。それなのにまだ松岡雲に会いたいなんて妄想を抱いているの?冗談じゃないわ。彼に伝えて、松岡雲は来世でも彼に会うことはないって」
「どの面下げてそんな要求ができるの?私たちを全員バカだと思っているの?彼の都合で呼べば来て、追い払えば去るとでも?」
「彼に言って、彼がいない方が、私たちの祐仁がどれだけ幸せに過ごしているか分からないって!」
温井雅子の発言に対して、山本誠明は反論せず、ただ静かに傍に立ち、私たちの怒りを聞いていた。