第368章 彼の遺灰を抱いて帰る

田中心蘭の言葉はここで詰まり、続けることができなくなった。

目尻から濁った涙が一筋流れ落ちた。

「あの子は、私が今まで見たこともないほど苦しんでいました。彼は言ったのです……大きな火事で、すべてを失ったと。彼の妻も、子供たちも。彼は、田中家の復讐を果たせなかったから罰を受けたのだと言いました。人生にはもう意味がないと。残された日々は、ただ復讐のためだけだと。」

「ああ、彼がそう言った時、私にはわかりました。彼はもう生きる気力を失っていたのです……いくら説得しても無駄でした。彼は一言も聞き入れようとしませんでした。彼の性格は父親と同じで、とても頑固でした。一度決めたら変えない。それに、彼はあの娘をあまりにも愛していたのです。」

「ああ、これが彼の運命だったのでしょう!私は知っていました、彼はこの試練を乗り越えられないと。でも、生きていても苦しむだけ。仏様のご加護で、彼は極楽浄土へ行ったのでしょう。」

最後のこの言葉を、田中心蘭はずっと詰まりながら話した。

まるで一言一言が非常に難しいかのように。

私は何か冷たいものが頬を伝うのを感じ、手で拭うと、それは涙だった。

その後、長い沈黙が続いた。

これらの言葉を話し終えると、田中心蘭はまるで全身の力を使い果たしたかのようだった。

彼女はもう話さず、目を閉じ、片手で木魚を叩き、もう片方の手で数珠を回していた。

雨はまだ降り続け、湿った雨の気配が谷全体に漂っていた。

私は自分がまるで夢の中にいるような気がした。

どれくらい立っていたのかわからないが、ノックの音が聞こえ、振り返ると、沢田書人の姿が入り口に見えた。

彼は中に入らず、私に手を振っていた。

「もう遅いよ、帰らないと!」

そこで気づいたが、すでに夕暮れ時だった。

私はもう少し留まりたかったが、彼女の修行の邪魔をし続けるのも申し訳なかった。

そこで立ち上がった……

「もう遅くなりましたので、お修行の邪魔はこれ以上いたしません。どうかご自愛ください。」

私がこう言った時、彼女はまだ頭を下げて木魚を叩いており、何の反応もなかった。

ドアを開けて出ようとした瞬間、彼女は突然私を呼び止めた。

「施主……お待ちください!」

私は足を止めて彼女を見た。

彼女は立ち上がり、棚から白い布に包まれた物を抱えて取り出した。