賀川心が病院に運ばれたのは夜の11時だった。彼女の顔色は非常に悪く、紙のように青白かった。お腹は激しく痛み、彼女は落ち着かなかった。
葉山大輔はお金を払い、病院に最高級のVIP産室を手配させ、最高の産科医と二人の看護師が全過程を付き添うようにした。
彼自身は隣の家族待合室で、焦りながら待っていた。
深夜、病院では時折赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、それを聞くたびに彼は興奮して立ち上がり、生まれたのかと思った。しかし、毎回生まれたのは賀川心ではなく、他の産婦だった。
彼は産室に入ってから1時間も経たないうちに出産する産婦もいるのを見ていた。
しかし賀川心からはずっと何の知らせもなかった。
もう夜が明けようとしているのに、どうしたことだろう。
隣にいた他の産婦の家族たちは、彼がそんなに焦っているのを見て、思わず彼を慰めに来た。