夜、賀川心は小さな猫のように葉山大輔に抱きしめられ、彼の腕を枕にしていた。
彼女は眉をひそめ、長い間眠れずにいて、静かに彼の腕から離れ、ベッドの端に転がった。
彼女だけが知っていた、実は一日中緊張していたことを。あのメッセージを受け取ってから、どうすべきか考えていた。最初に思いついたのは無視すること、返信しない、相手にしない、見なかったことにする。でも、そうすれば彼がお城まで直接彼女を探しに来るかもしれないと恐れた。
その後、彼女は直接会って話し合うべきか考えたが、そんな行動が隣にいる男性に誤解されるのではないかと心配した。結局、彼女は今や彼の婚約者なのだから。
あれこれ考えた末、彼女はカードを書き、言いたいことをすべてそこに書き、ケーキを作って彼に送った。それが彼女からの最後の祝福だった。