第165章:彼だけが彼女にこんなに優しい

賀川心は病院で丸三日間寝ていて、旧正月の四日目になってようやくベッドから起き上がって少し歩き回った。

彼女はようやく出血が止まり、顔色も良くなってきた。あと三日経って、検査が終われば、家に帰って胎児を養うことができる。その時には胎芽と胎児の心拍が確認できることを願っている。そうすれば彼女も少し安心できるだろう。

葉山大輔はキッチンから出来立ての鮒と豆腐のスープを運んできた。スープは乳白色で、中身は柔らかく、かすかな旨味の香りがした。

彼は午後いっぱい苦労した。このスープの作り方を知らなかったので、ネットで調べて即席で作ったのだ。

一つはスープ、一つはスナップエンドウの炒め物、もう一つは玉ねぎと肉の炒め物。

どれも妻の好物で、彼も今では毎日妻と一緒に妊婦食を食べている。しかも料理を一品作るたびに、妊婦が食べられるかどうかネットで調べている。