第154章:従兄に嫁ぎたい

「それなら葉山哲也にしましょう。涼子より二歳年上で、年齢も適切です」老婦人は再び微笑みながら吉田涼子を見つめた。この年になると、孫たちの幸せな出来事を見るのが一番の楽しみだった。

葉山蓮も自分の娘を見たが、娘の目に一瞬よぎった落胆に気づいた。娘の気持ちは彼女にはもちろん分かっていた。

「お祖母さま、私は従兄に嫁ぎたいです!」吉田涼子はためらうことなく言い、心臓はドキドキと高鳴っていた。数年前に初めて従兄に会った時から、彼女は心を動かされていた。しかし母親はずっとそれは不適切だと思い、葉山家は最終的に葉山剛と葉山哲也兄弟の手に渡ると考えていたが、結局は従兄に渡った。だから今でも彼女を従兄に嫁がせたいと強く思っていた。

「あら...」

老婦人は驚いた。この娘が自分の長孫のことを言っているとは思わなかった。