葉山大輔が去ると、賀川心はベッド全体が冷たくなったように感じ、隣に慣れ親しんだ温もりがなくなり、とても落ち着かない気持ちになった。
彼女は起き上がり、薄暗い灯りの中でソファに座る見慣れたシルエットを見つめた。
今は冬で、お城の中には暖房があるものの、やはり少し寒い。彼がかけている布団はとても薄く、風邪をひきやすいし、それにソファはベッドほど快適ではない。
賀川心の胸がキュッと痛んだ。
彼女はそっとベッドから降り、ソファの側に行くと、彼がまだ目を開けていることに気づいた。彼も眠れないようだった。
「ベッドで寝ましょう」彼女は彼を引き上げると、その時初めて彼の手がまだ熱いことに気づいた。
葉山大輔は眉をきつく寄せ、体内の炎が激しく燃えていた。
「賀川心……」彼は低い声で彼女の名を呼び、何かを警告しようとした。