葉山大輔は手を振った。
「いらない」彼は今、この家の中のものをじっくり見たいという思いでいっぱいだった。なぜなら、これらを通して彼女の過去がほとんど見えるからだ。
彼は廊下に向かい、手近なドアを開けた。明かりをつけると、主寝室が目に入った。部屋はそれほど広くなく、おそらく20平方メートルほどで、古めかしいベッド、大きなワードローブ、そして化粧台が置かれていた。
彼は中に入った。化粧台の鏡にはすぐに彼の大きな体が映し出された。台の上にはいくつかの物が置かれていた。櫛、多くの書類、そして食べかけの薬品もあり、どれも期限切れのようで、紙の箱も黄ばんでいた。
彼にはわかった。これは間違いなく彼女の両親の部屋だ。
左側に目をやると、大きな写真壁が見えた。大小さまざまな写真が掛けられており、額縁に入ったものもあれば、小さなクリップで糸に留められているものもあった。写真は多く、少なくとも100枚以上はあった。