第233章:誰が来たのか?

墓はそのままの姿だったが、墓前には既に二束の花が供えられていた。黄色と白の菊の花束と、まるで今しがた燃え尽きたような線香が二本。

まるで30分ほど前に誰かが参拜に来たようだった。

葉山大輔は眉を上げ、賀川心を見て尋ねた。

「親戚の誰かがここに来たのか?」

賀川心は首を振り、困惑した様子で答えた。

「いいえ」彼女はほぼ確信を持って答えた。

両親が亡くなってから何年も経つが、彼女以外に参拜に来る人はいないはずだった。例年もそうだったし、もし本当に叔父や伯父が参拜に来たとしても、花屋で買ったような菊の花束は持ってこないだろう。

地元の習慣では、清明節に参拜する時は酒や料理、果物、爆竹を持ってくるものだ。さらに必ず紙のお金を燃やし、墓の上に紙の花を挿して誰かが来たことを示すのが普通だった。