しかし彼女がこんなに怒っているのを見ると、彼のこの行動はあまりにも唐突だったようだ。
「じゃあ、私のSNSに何か投稿してみたら?好きなように書いていいよ」
葉山大輔は自分のスマホを彼女に投げ渡した。そうすれば公平かもしれないと思ったのだ。
例えば、彼女は「私の妻は世界一美しい」とか投稿できる。
要するに、ラブラブアピールだ。最近SNSでは毎日誰かがラブラブアピールをしていて、それを見せつけられてきたのだから、自分たちだってやってもいいはずだ。
賀川心の視線は海の底まで沈み、すぐにスマホを彼に投げ返した。
「食べましょう、お腹空いたから!」彼女はさらりと言い返した。彼のような子供じみたことはしない。それは子供のすることだ。
葉山大輔は彼女が本当に拗ねているように見えたので、急いでスマホを彼女に返した。