突然、彼はお腹が少し膨らんだような感覚を覚え、中から小さなゴロゴロという音が聞こえた。小さな音だったが、彼にははっきりと聞こえた。
葉山大輔は急に目を見開き、琥珀色の瞳に輝きが走った。
「お嬢さんが起きた?」彼は驚いて妻を見つめた。
賀川心は彼の手を取って自分のお腹に当て、笑いながら言った。
「彼女は毎日この時間に動くのよ。最近はますます活発になってきたわ」
そう言うと、赤ちゃんはもう一度小さな足を蹴り、賀川心のお腹もそれに合わせて膨らんだ。
葉山大輔は非常に機嫌が良く、まるで蜜をなめたように幸せだった。この明確な胎動は、まるで自分の子供に会えるかのような感覚を与え、言葉にできないほどの興奮を覚えた。
「心姉……」彼は突然妻を抱き上げた。
大きなお姫様抱っこだった。