手術室の外の待合室で、葉山大輔は落ち着かない様子で、焦りを隠せずにいた。
「中に入ってどのくらい経った?」彼は隣にいる白山雨子に尋ねた。
白山雨子は携帯を見て言った。「30分くらいですね。医師によると、だいたい70分で奥様が出てくるそうです。」
あと40分。
時間がとても遅く流れているように感じられた。葉山大輔は指をきつく握りしめ、額には汗が浮かんでいた。彼は心姉が麻酔に敏感ではないと言っていたことを思い出した。だから帝王切開の手術を恐れていた。痛みが強いのではないかと。
今、手術中の彼女が前例のない痛みを経験しているのかどうか分からなかったが、彼は彼女のそばにいることができなかった。
「旦那様、少し座ってお待ちになってはいかがですか。奥様はすぐに出てきますよ。」白山雨子は勧めた。葉山さんが今どれほど緊張しているか、彼女にも分かっていた。