葉山様はしばらく考えてから言った:
「それでは子供が半年になったら清泉園に連れてきて、私たちが育てよう。」
彼らは子供の祖父母なのだから、今時多くの子供は祖父母に育てられているではないか。それに彼らには子育ての経験があるので、若い人たちよりも上手に育てられるに違いない。
葉山様は明らかに忘れていた、葉山詩織がどのように育てられたかを。
二人の老人は夜になってようやく帰っていった。彼らが去った後になって初めて、賀川心は安心することができた。彼らがまた娘を清泉園に連れて行って育てようとするのではないかと恐れていたのだ。
部屋はすぐに静かになり、ちょうどミルクを飲み終えた美希も眠りについた。
葉山大輔は娘を抱いてベッドの傍に座っていた。彼はすでに2、3時間抱き続けていたが、まだ手放したくなかった。子供はまだ生まれたばかりで何も分からないが、彼は時々子供をあやそうとした。ただ子供からは何の反応も得られないだけだった。生まれたばかりの美希は、ミルクを飲むか寝るかで、ほとんどの時間は寝ていた。