「賀川お姉さん、おめでとうございます!私と艶子はずっとお姉さんに会いたかったんです。今日やっと休みをもらえました」呉羽敏子は微笑みながら賀川心の手を握り、視線は賀川お姉さんの腕の中の赤ちゃんに向けられていた。
「かわいいわね!」呉羽敏子は手を伸ばして美希の丸い頬に触れた。傍らの林艶子は急いで携帯を取り出して数枚の写真を撮った。
白山雨子はその少女が携帯で写真を撮るのを見て、突然前に出て、少し不機嫌そうに言った。「すみません、葉山さんから赤ちゃんの写真は当分撮らないようにと言われているんです」
林艶子は驚いて目を見開き、「あっ」と声を上げた。
そして自分の携帯をポケットにしまい、申し訳なさそうな表情で言った。「ごめんなさい、賀川お姉さん。知りませんでした」
賀川心は首を振った。「大丈夫よ」