「どうしたの?」賀川心は驚いて葉山大輔を見つめた。すべて話し合って決めたはずなのに。
葉山大輔は妻を引っ張ってソファに座らせ、片手で妻の肩を抱いた。
そして彼はいくつかの理由を妻に説明した。今はまだ完全に決断できないこと、いくつかの権限はまだ父親の手にあること、だから今はすべてのことを自由に決められないということを。
今回は妥協することを選んだが、もちろん葉山剛を含むすべての障害を取り除く方法を考えなければならない。
賀川心は葉山大輔の手を握り、うなずいて理解を示した。この旅行をとても楽しみにしていたが、葉山剛に隙を与えて会社で何か問題を起こされるわけにはいかない。
「わかったわ、それなら今度行きましょう。雨子たちに荷物を戻してもらうわ。これでいいの、美希はまだ小さいし、私たちについて回るのは大変だもの。子供がもう少し大きくなったら行きましょう」