第445章:人身売買業者に目をつけられたらどうする

「ありがとう!」賀川心は縁子を抱えて後部座席に座った。そしてバッグから水筒を取り出し、少しのぬるま湯を縁子に飲ませた。

「言っておくけど、心姉、外出するときは本当に気をつけないとね。この川市は夜都のように治安がいいわけじゃないわ。ここでは時々子供の誘拐事件が起きているの。つい最近も、私のマンションで女性が市場で買い物中に注意を怠って、2歳の子供が人さらいに連れ去られたのよ。今の人さらいは特に見た目のいい子供を狙うから、あなたが一人で子供を連れて出かけるときは本当に気をつけてね。」

森山静香は心配そうに同級生を見つめながら、彼女がなぜ裕福な名家の奥様の地位を捨てて、子供を抱えて逃げ出すのか理解できなかった。それに今はどこにでも監視カメラがあるのに、どこまで逃げられるというのだろう。