第485章：仕事に行こう1

賀川心は立ち上がって浴室に向かい、出てきたときには男性と同じタイプのパジャマを着ていた。彼女は窓辺に歩み寄り、カーテンを閉め、そしてベッドを整えた。

しばらくして、彼女は葉山大輔の肩をたたき、淡々と言った。「寝なさい。早く休んで、明日の仕事に影響が出ないようにして。」

彼女は彼を諭すように言った。実際、彼女は知っていた。彼の心の中で最も重要なのは自分ではなく、彼のキャリア、あるいは彼が得たいと思っている権力や地位だということを。

彼と彼の父親である葉山達也はとてもよく似ていた。しかし彼女はもう彼を恨んでいなかった。人にはそれぞれ最も大切にするものがある。彼女にとっては子供たちであり、家庭だった。

この期間、彼らはほとんど冷戦状態にあり、彼女は彼の精神状態が良くないことを見て取れた。彼女自身もそうだった。しかし、彼らのどちらも「離婚」という言葉を口にしなかった。