第499章:縁子、頑張れ

二分後、賀川心は縁子を抱いて降りてきた。縁子は小さな口を尖らせ、全く嬉しそうではない様子で、まだ上に座って遊びたかったのだ。降りたくなかった。

「縁子、他のもので遊ぼうね。ほら、まだたくさんの子供たちが座りたがっているでしょう。先に他の子供たちに譲ってあげよう、いい?」賀川心は子供の小さな頬を軽くたたいた。

見れば縁子がまだ遊び続けたいのは明らかだった。この小さな子は今、遊ぶこと以外には何にも興味がない。

縁子はまだ不機嫌で、強く頭を振り、何を言っても此処を離れたくないという様子だった。

そのとき賀川心は少し離れた果物と野菜のテーマパークを指さした。そこには多くの子供たちが遊んでおり、何かコンテストをしているようだった。

彼女は急いで子供を抱えてそちらへ向かった。