第502章:ただ彼女に会いたかった

「心姉……」

ようやく、しばらく歩いた後、深山義彦は足を止め、縁子を抱き上げた。彼は近くの母子向けレストランを指さして言った。「少し休憩しましょうか、何か食べに行きましょう。もう昼時だし、縁子もご飯を食べる必要があるよ」

縁子は「ご飯」という言葉を聞くと、すぐに協力的に自分の小さなお腹をぽんぽんと叩いて言った。「お母さん、ごはんごはん……縁子、ごはんたべる」

縁子は甘えた声で言った。

深山義彦が縁子を抱えてその母子向けレストランに向かう中、賀川心は無表情でついていった。

もちろん彼女は空腹ではなかったが、子供を空腹にさせたくはなかった。

これは遊園地内にある母子向けレストランで、その名の通り、赤ちゃんが食べるものがたくさん売られていた。例えばお粥や、スープご飯、茶碗蒸し、そして子供向け乳製品などだ。