「嘘でしょ?」金田凛香は全く信じられなかった。「鈴木主任がそんな大きなプロジェクトをあなた一人に任せるなんて?」
夏目芽依は肩をすくめた。「お客さんが私を指名したんだって」
「あなたが入社して数日しか経ってないのに、どんなお客さん?」
「私が静的インターフェースの広告を作ったあの人よ。私のデザインにすごく満足してくれたらしいわ」そう言いながら、夏目芽依自身も自信なさげだった。
「冗談でしょ...ただの小さな静的広告を作っただけなのに...」金田凛香は小声でつぶやき、心の中でこの件について考えていた。「おかしいわ、そんな単純な話じゃないと思う」
「え?」
金田凛香は片手で顎を支え、眉をしかめた。「今考えると、あなたの入社自体が変だったわ。何も質問せずにすぐ採用して、今度は重要なプロジェクトを直接任せるなんて、どう考えても裏があるわよ」