「兄さん、週末予定ある?」
「ある」
「本当?嘘でしょ?」羽柴美波はあまり信じていなかった。「じゃあ何の予定か言ってみて、3秒以内に答えて」
「3、2、1!ほら、言えないでしょ。実は何も予定ないんでしょ?」
携帯を持った羽柴明彦はすでにイライラし始めていた。「で、何?」
「週末におばあちゃんの誕生日だから、盛大なバースデーパーティーを開こうと思ってるの。あなたも来てよ〜」
「わかった。時間と場所を教えて」
「あと、私たちでおばあちゃんに大きなプレゼントを贈ろうと思ってるんだけど、あなたは私たちと一緒にする?それとも自分で...」言い終わる前に、電話からはすでに話し中の音が聞こえていた。
羽柴美波は不満そうに電話を置き、つぶやいた。「この人いつもこう。失礼ね」
「木村城太」羽柴明彦は内線を押した。「誕生日プレゼントを用意してくれ。高齢の女性向けのものを」