第44章 共謀

午後4時、羽柴明彦はようやく休息を終え、再び階下に降りた。

「鈴木ママ、小豆のスープはありますか？」

「はい、ございます。」

鈴木ママは急いで台所に入り、冷蔵庫から朝に作っておいたスープを取り出し、弱火で温め、数分後にはダイニングテーブルに運び、羽柴明彦の前に置いた。そして自分は手を下げて横に立った。

羽柴明彦はスープを二口飲んで顔を上げた。「先に用事を済ませてください。」

鈴木ママはためらいながらも動かなかった。用意していた言い訳をまだ口にしていなかったが、夏目芽依が家にいないことを早く説明すれば早く安心できるはずだった。

「どうしました？何かありますか？」

「いいえ、では旦那様、私は先に買い物に行ってきます。今晩は烏骨鶏を煮込む予定です。」

「烏骨鶏？」

「はい」鈴木ママはうなずいた。「奥様は最近チキンスープがお好きで、今晩彼女のために作ろうと思っています。」