第144章 後院から火が出る

「まあ、どこに行ってたの?」金田凛香は夏目芽依が入り口から入ってくるのを見て、手にはいくつものコーヒーの持ち帰り用ボックスを持っていた。急いで手を伸ばして一つ受け取った。

「みんなのために買ってきたコーヒーよ」夏目芽依は手が空いたので、顔の横に散らばった髪を耳の後ろに掻き上げた。「ここに置いておいて大丈夫、私がやるから」

彼女がリトウプロジェクトチームから追い出されて以来、以前彼女に満足していたクライアントもとっくに他のデザイナーに割り当てられていた。毎日雑用のような仕事しか割り当てられず、昇進は山登りのように大変なのに、降格はロケットに乗るように速い。ほんの数日で、コーヒーを買う係になってしまった。

「これはあまりにもひどいわ。あなたは雑用をするために来たわけじゃないのに、なぜコーヒーを買わされるの?」金田凛香は憤慨した。「誰があなたに行かせたの?鈴木主任に文句を言ってくるわ」