第146章 私たちは頑張ります

「はっくしょん!」夏目芽依は大きなくしゃみをして、ダウンジャケットを身にまとったまま急いで家に入った。

「奥様、どうされました?」

「何でもないわ、こっちに来て荷物を持つのを手伝って」羽柴明彦は手に持っていた箱を鈴木ママに渡した。「これを先に冷蔵庫に入れておいて」

鈴木ママは箱を開けてちらりと中を覗いた。中はツバメの巣でいっぱいだった。

羽柴おばあさんの家に行くたびに、いつも何かをもらって帰ってくるのだった。

「何よ、もう!」夏目芽依は重いコートを脱いでベッドに投げ捨て、軽いスポーツウェアに着替えると、憤慨した。

1時間ほど前。

「義姉さん、最近ふっくらしてきたわね。もしかして、おめでたなんじゃない?」羽柴美波はくすくす笑いながら言った。

何がふっくらよ...夏目芽依は呆れた。この時期は寒くて服を重ね着しているから、体型管理にあまり気を使っていなかった。それに鈴木ママの料理の腕前は絶品で、知らず知らずのうちに食べ過ぎて、少し肉がついたのは事実だった。