「羽柴社長、朗星は最近内部調査を続けていますが、前回のリトウプロジェクトの件については既に確認しました」朝早く、木村城太は羽柴明彦のオフィスを訪れ、状況を報告した。「昨日、監察部門がプロジェクトチームのメンバーに聞き取りを行いました。おそらくすぐに結果が出るでしょう」
羽柴明彦はうなずいた。「わかった」
「羽柴社長、この問題が明らかになれば、朗星会社の株価は必ず影響を受けます。事前に何か対策を講じて、より大きな損失を防ぐべきではないでしょうか?」木村城太は積極的に提案した。
「その件については私が金田社長と個別に話し合う。君はもう行っていいよ」
羽柴明彦は携帯電話を手に取り、金田直樹に電話をかけた。現在の会社の状況について尋ねたかった。当初の投資は主に金田弘树を助けるためであり、彼らから儲けようという意図はなかったが、彼も一応朗星の株主であるため、会社の事に全く無関心でいるわけにはいかなかった。特に今回の件は夏目芽依の仕事にも関わっていた。