「どこに行ってたの?」
会社に戻ると、中條詩織は木村城太がすでに戻っていることに気づいた。一日休暇を取ったはずなのに、こんなに早く会社に戻るなんて、本当に仕事熱心だ。今はまだ1時過ぎで、昼休みはまだ終わっていない。
「お昼を食べに行ってました」
木村城太は眉をひそめた。「朝早くから出かけて、ずっと外にいたんじゃないのか?」
中條詩織は振り向いて莉奈を見たが、彼女は頭を下げて黙っていた。「はい、午前中はあなたの指示通り朗星デザイン会社に行って金田社長に資料を届けて、それから…」彼女は突然言葉を止めた。
その後何をしたのか、まだ言い訳を考えていなかった。
「それからこっそり遊びに行ったんだろう?」木村城太は不機嫌な口調で言った。彼は多くの新卒者を指導してきたが、遊び好きで抜け道を探すような者も少なくなかった。仕事をきちんとこなすことを考えるのではなく、仕事の隙を見てこっそり息抜きしようとする。本当に少しの苦労も耐えられない甘えた人たちだ。自分が卒業した頃とは大違いだ。やはり時代は変わったのだ。