「この二つの契約書に問題はありません。もし紛争が起きても、直接法務部門に任せれば、あなたは表に出る必要はありません」羽柴明彦は手元の書類を置いた。「最近、彼らはあなたに何か問題を起こしていますか?」
林田希凛は首を振った。「いいえ、前回あなたが彼らの提案を却下してから、誰も転換の話をする勇気がなくなりました」彼女は突然笑顔を引き締めた。「でも最近よく考えるんです。今はビジネスがやりにくくなっていて、父の関係で以前からの顧客が会社の業務を支えてくれていますが、コストは増え続け、新しい販売チャネルもなく、そう遠くない将来に本当に問題が出てくるかもしれません」
羽柴明彦はうなずいた。「それは私も考えていることです。今は経済が不安定で、あなたの会社だけでなく、あらゆる業界で潮流が変わりつつあります。何事も軽々しく決断できません」