「えっ?義姉さん、もうお休みになったの?」夏目芽依が上がってからそう時間も経たないうちに階段を降りてくるのを見て、羽柴美波は尋ねた。
夏目芽依は頷いた。「うん、少し眠ったら、もう眠くなくなったわ」
「こっちに来て座って」羽柴美波は隣の椅子を指さした。「ちょうどあなたの話をしていたところよ」
夏目芽依は二人がそれぞれグラスを手に持ち、楽しく話しているように見えたので、仕方なく隣に座った。
「従兄が言うには、あなたは何でもできて、性格も良くて、わがままじゃないって。私なんかよりずっと素晴らしいって、私がまだ嫁に行けないのは両親のせいだって言われちゃったわ」羽柴美波は笑いながら言った。
夏目芽依は羽柴明彦が自分を褒めるとは思っていなかった。普段は褒めるどころか、彼の口から良い言葉を聞くのも難しいのに、もしかして陰で褒めていたのだろうか?彼女は謙虚に「そんなに良くないですよ...」と答えた。